ハンダマは、沖縄県で古くから栽培されている伝統野菜です。
金時草(キンジソウ)とも呼ばれ、美味しいだけでなく、栄養価が高いのも魅力の一つです。
今回は、そんなハンダマの食べ方や、どんな栄養・効能があるのかについて詳しく解説します。
ハンダマとは?
ハンダマは、キク科サンシチソウ属(ギヌラ属)に分類されるキクの仲間です。
原産地は東南アジアであり、暑さに強く、主に夏季に収穫されます。
そのため、旬は7~9月頃になります。
金沢市では加賀野菜に認定されていて、古くから食材として食べられています。
・加賀野菜とは?
金沢市農産物ブランド協会が認定した野菜のことであり、現在では15品目が加賀野菜に認定されています。
1945年より前から栽培され、現在でも金沢市で栽培されている野菜であることが、加賀野菜の条件です。
日本語での正式な名前は「水前寺菜(スイゼンジナ )」です。
熊本県では、この名前で呼ばれています。
ちなみに、ハンダマは沖縄県での呼び名であり、金沢市では金時草(キンジソウ)、愛知県では式部草(シキブソウ)と呼ばれています。
葉の表面は濃い緑色であるのに対し、裏面は紫色をしているのがハンダマの一番の特徴です。
金沢市での「金時草」という呼び名は、裏面の紫色が金時芋に似ていることが由来であると言われています。
他にも、茹でるとぬめりが出る特徴があります。
食べ方はどうする?
ハンダマは、葉と柔らかい茎の部分を食用とします。
固い茎の部分は捨ててください。
下処理に関しては、まず、水の入った鍋に3%の塩(1リットルに対して30グラム)を加えて沸騰させます。
次に葉と茎を鍋に入れて、30秒から40秒ほど茹でてザルにあけ、氷水に落とします。
その後、氷水から取り出し、手でよく絞って水気を取りましょう。
ハンダマは、酢の物にして食べるのが最も一般的です。
他にも、おひたしや天ぷら、味噌汁の具、油炒めなど、様々な料理に応用できます。
また、生のままサラダにして食べるのも、ハンダマのパリパリした食感を味わえるのでおすすめです。
主な栄養成分と効能
- アントシアニン
ハンダマの葉の紫色の部分には、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれています。
アントシアニンの持つ強い抗酸化作用が、人体に様々な悪影響を及ぼす活性酸素を除去し、老化防止や美容効果をもたらします。
また、アントシアニンには眼精疲労の改善にも効果があるので、長時間のパソコン作業などによる目の疲れにもおすすめです。
- β-カロテン(ベータカロテン)
ハンダマは緑黄色野菜に分類されるので、β-カロテンを多く含んでいます。
β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変化し、髪や肌、粘膜の健康を維持します。
他にも、視力の維持や免疫力を高める効果があります。
また、β-カロテンは脂質と一緒に摂ることで吸収率が高まります。
油やバターで炒め物にしたり、脂質を含むゴマやピーナッツで和え物にして食べると良いでしょう。
- GABA(ギャバ)
近年、テレビや雑誌で話題になっている成分の一つに「GABA」があります。
ハンダマは、このGABAも豊富に含んでいます。
GABAには、血圧を調整する作用があり、高血圧を予防する効果が期待できます。
他にも、アルツハイマー病の予防、リラックス効果、中性脂肪を下げる効果などがあります。
- 鉄分
また、ハンダマは鉄分も含んでいるので、貧血予防や疲労回復にも効果があります。
ハンダマが、沖縄で「血の薬・不老長寿の薬」と言われているのはこのためです。
まとめ
ハンダマは味に青臭さがなく、非常に食べやすい野菜です。
また、生のまま食べると、シャキシャキとした食感を味わうことができます。
美味しい料理に応用可能なだけでなく、健康の維持にも役立ちます。
本記事が、ハンダマに興味を持った方の参考に少しでもなって頂けたら幸いです。